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終身雇用を考えてみる

  • 2023年12月11日

日本の社会の特徴の一つである終身雇用。
あい対するものとしてジョブ型雇用という言葉もありますが、
まだまだ日本の雇用スタイルのスタンダードとなっているのではないでしょうか。

そしてこの終身雇用に対しては、いろいろ議論を呼んでいます。
”現在の状況に合っていない”とか、”2000年以降終身雇用のメリットがデメリットを超えた”
などなど。

まず、この終身雇用って一体いつぐらいから始まったものなのでしょうか。
終身雇用が始まったのは戦後の経済復旧が進んだ時期だと言われています。
経済が上向き、製造業を中人に多くの労働力を確保する必要あり、
労働者を確保するための施策だったようです。

戦前までは、終身雇用という概念はあまりなく、
とくに技術のある人の転職は頻繁であり、
勤続年数はおおよそ3~5年であったと言われれています。

そんなすぐに離れていってしまう労働者を確保するため、
「うちは終身で雇用して、その間ずっと給料が上がり続けますよ」という
一種の囲い込みの手法だった訳ですね。

”長く働けば働くほど給料が上がる”
これは魅力的に映ったことでしょう。
しかもほぼクビになることはない。
時代的な背景の影響も少なくなかったかと思います。

こうして労働力の確保に成功しすると、
他の会社も当然追従します。
まるで携帯会社のパケット使い放題プランみたいですね(笑)

確かに魅力的ですが、これには前提条件があります。
それは”企業が成長し続け、利益が拡大し続けること”です。
年々給料が上がっていくので、当然、会社も前年と同じ利益では足らなくなります。

また、新卒一括採用で毎年多くの新卒が入社してくる。
そう、これらの施策は経済成長時代の拡大路線に基づいたもので、
それが維持できなくなってくると、あちこちに歪みが生まれてきます。

・ずっと給料を上げ続けると約束した中高年のコストが高い(これは当たり前)
・終身雇用を前提とした賃金形態のため、若者の賃金が低い

また、このような”安定した雇用”がもたらす副作用として
”イノベーションや研鑽が生まれにくい”という意見もあります。
「なんであんなに仕事してない奴が同じ(もしくは高い)給料もらってるんだ」
なんて愚痴を誰しも一度は聞いたことがあると思います。

終身雇用という日本独自の制度。
過去には日本独自の孤立したプラットフォームを”ガラパゴス”と揶揄されたこともありますが、
果たして終身雇用は今後どうなっていくのでしょうか。
まあバブル真っ最中のころは「日本型経営最高!」なんて世間(世界)が言ってましたけどね(笑)