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たかがPDF、されどPDF

  • 2023年8月31日

Officeファイルと並ぶメジャーなファイルである「PDF」
おそらくほとんどの人が使ったことがあるのではないでしょうか。

そんなPDFファイルって皆さんどんなイメージ持っていますか?
”いろいろなOSやアプリで開いてもちゃんと見れるファイル”
おそらくこんなイメージではないでしょうか。

文字やレイアウトが崩れない安心のファイル形式。

確かにそれは間違いではないのですが、
必ずしもそうでない場合もあります。

PDFファイルはアドビさんが作った”Postscript”というプログラムで書かれています。
そう、あれってプログラムなんですね。

そんでプログラムなのでバージョンも存在し、
例えば”PDFバージョン1.7″なんて表現をします。

アプリの対応するPDFバージョン以外のファイルを開いた場合、
レイアウトが崩れてしまうことがあります(そんなに大きくはズレませんが)

そして”フォント”という概念。
極端に言うとPDFファイルにはテキストは保持していません。
「あいうえお」という文字が書かれたPDFには、
・”あ”というフォントとフォントの種類
・”い”というフォントとフォントの種類
・”う”というフォントとフォントの種類
・・・以下略
という情報が保持されています。

このPDFを開こうとしたアプリ(もしくは印刷時)には
アプリがこれを読み込んで再現していきます。

【アプリさん】
ふむふむ、まず”あ”というフォントをこの位置に表示するのね。
そんでこのフォントの種類はゴシックなのね、おけ、表示。

という感じ。
イメージとしてはアプリに対する指示書ですね。

ただ、指示書なんでこんなケースも。

【アプリさん】
次は”い”というフォントね。そんでフォントの種類はと、、ヒラギノ角ゴシック!?
そんなフォント知らん!表示むりっす!

この場合、アプリさんは空白や・(ドット)でその文字を表現してくれます。
機嫌がいいと別の種類のフォントに置き換えてくれますが笑

これではOSやデバイスによって表示できるできないが
けっこうバラけてしまいます。
こんなことを防ぐために”PDF作成時にフォントをPDFファイルに埋め込む”
という操作がありますが、普段あまり意識しているケースは少ないでしょう。

PDF化するツールによっても多少の変化はあって、
Adobe製ツールだといいけど、サードパーティ製のツールだと、
特定の環境でレイアウトが崩れるなんてこともあります。

万能だと思っているPDF。
じつはけっこうデリケートなんですね。
PDFファイルにも労りが必要かもしれません。