いまやあらゆる情報が飛び交う時代。
スマホの通知もいっぱい鳴りますね。
通知により情報はほぼリアルタイムに届き、
そして消費されていきます。
情報がリアルタイムで届くことは基本便利なんですが、
場合によっては必ずしもそうではないと言えることもあります。
例えばチャットなんかで、
”届いたらすぐに返さなければいけない”という暗黙のルールのようなものが
ありませんか?
一定以上時間が経ってしまうと、
”返信が遅い”、”既読無視”なんて言われてしまいます。
またこの返信までのリードタイムが人によって違うので、
なかなかコミュニケーションというのは難しいものです。
「リアルタイムに伝わってしまうからこその負担」
というのがあるのは否めないかもしれません。
もっと深刻なケースは介護医療分野に見られます。
例えば患者さんのバイタルデータを遠隔からモニタリングできるような
システムがあったとしましょう。
そのモニタ情報に深刻な変化があったとき、
情報を見た人がすぐに動けなかったら?
もしくはアラートなどの通知に気づけなかったら?
対応できなかったが故に悪い結果が起こってしまったら、
その責任は誰が取るのでしょうか。
人も潤沢にいて、いつでもすぐに対応が取れるような体制なら
いいかもしれませんが、今時そんな体制は無理でしょう。
情報を得ても対応ができないのであれば、
情報をリアルタイムで得る必要はないし、
情報を得たことによって責任が発生してしまうのなら、
そもそも情報を得ることを積極的に行う理由がなくなります。
”リアルタイムな情報があればとりあえず良くなる”
ということではなさそうですね。
労働人口が減っていく中、その不足をITで補うことは不可欠ですが、
情報取得/トリガー/アクションまでトータルで考えないと、
どこかがボトルネックになり、流れるスピードが早い分、
そのボトルネック部分に今まで以上の負荷がかかる恐れがあります。
部分最適ではなく、全体最適がますます重要になってくるかもしれません。