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著作者人格権にご注意

  • 2024年6月19日

「キャンディキャンディ」というアニメをご存知でしょうか。
私は小さい頃見ていました(年齢)
内容についてはあんまり覚えていないのですが、
けっこう楽しく見ていた記憶があります。

さて、そんなキャンディキャンディですが、
ある話題でよく題材として挙げられます。
そう、著作権の話題ですね。
詳しくはwikiにありますが、
どおりで再放送がないわけですね(苦笑)

こうした作品についてよく著作権の話が出ますが、
ひとくくりに著作権と言っても、その内容はけっこう細かく分かれています。

  • 著作権
    • 著作権(狭義の著作権)←一般的に著作権というとこれ
      • 複製権:複製する権利
      • 上演権・演奏権:著作物を公に上演したり演奏したりする権利、録音物の再生
      • 上映権:著作物を公に上映する権利
      • 公衆送信権・公の伝達権:著作物を公衆向けに送信する権利(WEB、ラジオなど)
      • 口述権:言語の著作物を朗読など口頭で公に伝える権利、再生含む
      • 展示権:美術の著作権や未発表の写真を公に展示する権利
      • 頒布権:映画の著作物の複製物を頒布する権利
      • 譲渡権:映画以外の著作物を公衆へ譲渡する権利(CDや漫画の販売など)
      • 貸与件:映画以外の著作物の複製物を公衆へ貸与する権利(CDレンタルなど)
      • 翻訳権・翻案権:二次的著作物を創作する権利(映画化、編曲、翻訳など)
      • 二次的著作物の利用権:原作者が二次的著作物の著作者と同じ権利を持つこと
    • 著作者人格権
      • 公表権:著作物を公表するかどうか決める権利
      • 氏名表示権:著作物に著作者名を表示するかどうか決める権利
      • 同一性保持権:著作物の内容を勝手に改変されない権利
    • 著作隣接権
      • 実演家の権利
        • 氏名表示権:実演家の名を表記するか決める権利
        • 同一性保持権:自分の実演について自分の名誉や声望を害する改変をされない権利
        • 録音権・録画権:自分の実演を録音、録画する権利
        • 放送権・有線放送権:自分の実演を放送する権利
        • 送信可能化権:自分の実演をWEBサイトなどに掲載する権利
        • 譲渡権:自分の実演の録音や録画を公衆に譲渡する権利
        • 貸与権:市販用のCDなどを貸与する権利
        • 放送の二次利用を受ける権利
        • 貸しレコードについて報酬を受ける権利
      • レコード製作者の権利
        • 複製権:レコードを複製する権利
        • 送信可能権:レコードをWEBサイトなどに掲載する権利
        • 譲渡権:レコードの複製物を公衆へ譲渡する権利
        • 貸与権:商業用レコードを貸与する権利
        • 放送の二次使用料を受ける権利
        • 貸しレコードについて報酬を受ける権利
      • 放送及び有線放送事業者の権利

いやあ、いっぱいあってよくわかりませんね(笑)
ただ、ちまたでよく言われる”著作権”って上のリストでいうところの
”狭義の著作権”みたいですね。
著作権を譲渡するとかいいますね。

ただ、その下の”著作者人格権”はその業界以外ではあまり聞くことがありません。
この二つの大きな違いは、狭義の著作権は財産権なので譲渡できますが、
著作者人格権は譲渡ができません。

この著作者人格権は著作物を作成した人がずっと保有し続けます。
なので例えばとあるドキュメントを依頼して作ってもらったとして、
その著作権を納品物として譲り受けたとしても、
著作者人格権は譲渡できないのでドキュメントの作成者に残ります。

ここで問題になるのが著作者人格権の中にある「同一性保持権」です。
これは著作物の内容を勝手に改変されない権利なので、
著作権を持っていても、その著作物の内容を勝手に変えることはできないということになります。
もし変える場合は著作者に承諾を得てという具合になりますが、
これはあまり現実的じゃないですよね。

そんなことにならないように、
契約書には”著作者人格権を行使しない”という文言が必要とのことですが、
一般的にあまり見たことはありません。

作品性の高いものならまだしも、
例えば業務委託でマニュアルを作ってもらったとしたらどうでしょう?
著作者人格権に当てはめると勝手に改変できない事になってしまいます。
そもそもマニュアルのようなものに著作権が適用されるのかわかりませんが、
法律で明記されていなければ、実際には裁判の判例を持ってということになるのでしょうか。

いや、世知辛い世の中ですね(苦笑)