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再び分散に向かうか

  • 2024年1月19日

もう私たちの身近にあるAI。
特に2023年はChatGPTをはじめとした生成AIの年でしたね。

そのAIですが、ほとんどのAIはインターネット接続が前提となっています。
ネットがつながっていない状態ではAIは使えないと言うことですね。
これはAIの処理を主にクラウドで行なっていることを示しています。
まあ、そうだよねという感覚でしょうか。

しかし最近、「エッジAI」なるものが登場してきました。
これは、AIの処理を”エッジ”つまり手元のデバイスで行うというもの。
もちろん全ての処理を行うことはできませんが、
まずはデバイスの中の処理で返せるものは返す。
そしてデバイスの中の処理ではできないものはクラウドに投げる。

結果、手元のデバイスで完結できるものってある程度あって、
利用者の目には”処理が速い”と映ります。

なるほど、なんとなくいい事のように思います。

このように、”一箇所で集中的に処理をするか、手元で分散して処理するか”
ということを、コンピューターの世界ではずっと繰り返してします。

オフィスでいうと、まずホストコンピューターという、
大きな冷蔵庫のようなコンピューターが登場します。
もちろん他にコンピューターなんてないので、処理はホストコンピューターで全て完結します。
集中の始祖ですね。

やがてWindowsが出てきてオフィスに複数のコンピューター、いわゆるPCが現れます。
ただ、LANがつながっていないのでお互い通信することはできませんが、
オフィス内の複数のPCで分散されて処理されています。

やがてサーバーというPCの親玉みたいなのが出てきて、
PC達はサーバーの子分になります。

大事なデータは親玉のサーバーが保管や処理を行います。
分散されていたものが集約され始めました。

でも大事な親玉のサーバーがポシャると当然ですがその中のデータも処理も
ダメになります。当然ですが。
じゃあ、親玉を複数作ればいいじゃんと、これまた分散が始まります。

そうすると増えた親玉の管理やコストが面倒になってきます。
「なんでこんなに親玉がいるんだ、親玉は一人二人でいいだろ」
と増えた親玉の集約が始まります。

てな感じで分散と集約を繰り返し、現在一番大きい塊の「クラウド」という
場所に行きつきました。

これで落ちついたかと思いきや、
今度はAIという高負荷な処理を必要とするモノが流行り始めました。
最初は「そんな高負荷処理はクラウドだろ」という感じでしたが、
「もしかして端末でもできるんじゃね?」とその役目が徐々に端末に移り、
再び分散を始めています。

このように集約と分散を繰り返しながら巨大化していく姿は、
ある意味生物のようにも見えてなんだか不思議な感覚になります。
もしかしたら組織というものも、同じようなことを繰り返しているのかもしれません。