もう私たちの身近にあるAI。
特に2023年はChatGPTをはじめとした生成AIの年でしたね。
そのAIですが、ほとんどのAIはインターネット接続が前提となっています。
ネットがつながっていない状態ではAIは使えないと言うことですね。
これはAIの処理を主にクラウドで行なっていることを示しています。
まあ、そうだよねという感覚でしょうか。
しかし最近、「エッジAI」なるものが登場してきました。
これは、AIの処理を”エッジ”つまり手元のデバイスで行うというもの。
もちろん全ての処理を行うことはできませんが、
まずはデバイスの中の処理で返せるものは返す。
そしてデバイスの中の処理ではできないものはクラウドに投げる。
結果、手元のデバイスで完結できるものってある程度あって、
利用者の目には”処理が速い”と映ります。
なるほど、なんとなくいい事のように思います。
このように、”一箇所で集中的に処理をするか、手元で分散して処理するか”
ということを、コンピューターの世界ではずっと繰り返してします。
オフィスでいうと、まずホストコンピューターという、
大きな冷蔵庫のようなコンピューターが登場します。
もちろん他にコンピューターなんてないので、処理はホストコンピューターで全て完結します。
集中の始祖ですね。
やがてWindowsが出てきてオフィスに複数のコンピューター、いわゆるPCが現れます。
ただ、LANがつながっていないのでお互い通信することはできませんが、
オフィス内の複数のPCで分散されて処理されています。
やがてサーバーというPCの親玉みたいなのが出てきて、
PC達はサーバーの子分になります。
大事なデータは親玉のサーバーが保管や処理を行います。
分散されていたものが集約され始めました。
でも大事な親玉のサーバーがポシャると当然ですがその中のデータも処理も
ダメになります。当然ですが。
じゃあ、親玉を複数作ればいいじゃんと、これまた分散が始まります。
そうすると増えた親玉の管理やコストが面倒になってきます。
「なんでこんなに親玉がいるんだ、親玉は一人二人でいいだろ」
と増えた親玉の集約が始まります。
てな感じで分散と集約を繰り返し、現在一番大きい塊の「クラウド」という
場所に行きつきました。
これで落ちついたかと思いきや、
今度はAIという高負荷な処理を必要とするモノが流行り始めました。
最初は「そんな高負荷処理はクラウドだろ」という感じでしたが、
「もしかして端末でもできるんじゃね?」とその役目が徐々に端末に移り、
再び分散を始めています。
このように集約と分散を繰り返しながら巨大化していく姿は、
ある意味生物のようにも見えてなんだか不思議な感覚になります。
もしかしたら組織というものも、同じようなことを繰り返しているのかもしれません。