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Twitterの立て直し施策にみる限界

  • 2023年4月18日

加藤です。

ITmediaより

Twitterの「サブスクリプション」、日本でも利用可能に

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2304/16/news047.html

ITmediaより引用

 イーロン・マスク氏により買収され、さらにイーロン・マスク氏が設立した「X社」に吸収合併された結果、ただの会社内1事業になり下がったTwitterですが、元々の収益体制があまりに酷すぎたところからなんとかコストイーブンぐらいにはしようとあれやこれやと施策を打っては順序の勘違いや、準備不足により毎回炎上してきたところは皆様周知のことではないでしょうか?そんなTwitterが次はサブスクリプションを提案してきたというのが今回のお話です。

 とはいえ、これ、以前は「スーパーフォロワー」と言っていたものを改名し、Youtubeのような分配モデル(収益化)も盛り込んだという特に新しいものではありません。しかし、お金を払ってTwitterを利用すると条件を満たした場合、収益化が可能というのはわからなくもないですがもうちょっとスマートなやり方はなかったのか?と疑問を感じざるを得ません。そもそも収益化でユーザーを課金に持ち込みたいなら、収益化の具体的な内容がない限り誰もまず出資して回収しようとは考えないとは感じませんか?そもそも、現在のTwitterのユーザー層は日本では中高年男性に著しく偏っており、広告出稿先としては随分前に見限られたプラットフォームであるうえに、最近ではB2Bにおける公式アカウントの運用がリスクはあれどメリットが著しく少ないこともわかってきており、運用を停止する企業が増えているという現実もあります。

 無償マーケティングの最前線と言われて、企業公式アカウントが雨後の筍のように乱立していき、時にバズることもあったのがいつのことかと感じてしまうほど、昨今は盛り上がりにも欠けますし、実際B2B企業においてはその運用効果が疑わしい状況はますます深まっています。炎上のリスクがメリットを大幅に超えているからです。更にいえばあまりに企業公式アカウントが増えすぎてしまい、相互フォローが推進されすぎた結果、1万フォロワーであっても購買に結び付くような情報受信者にほとんど情報が届いていないという現実が垣間見えてきております。

 そんな状況のTwitterが収益化付きサブスクリプション型を提案しても、どんな立場のユーザーも飛びつくことはほぼないでしょう。それどころかもういいやと撤退を加速させるようにも考えられます。このように一足早くSNSプラットフォームとして死に体になったFacebookを追うようにTwitterも終焉を迎えようとしているのかもしれません。もっと言えばソーシャルにおける開放型のテキストコミュニケーションが分岐点にきているとも言えます。

 インターネットが生まれ、SNSが世の中に普及してきたここ20年ほどでそろそろ次のターンを探すタイミングにきているのかもしれません。そのようなものが見えてきたらまたこちらでもお伝えできればと考えております。

 本日は収益化付きサブスクリプションサービスを開始するTwitterから見る立て直しの限界と、そもそものSNSプラットフォームの限界についてお話をしてまいりました。何かのお役に立てば幸いです。