Share

シリアルかパラレルか

  • 2022年12月14日

”シリアル”と”パラレル”、なんか聞いたことありますね。
直訳すると、
・シリアル=直列
・パラレル=並列
となります。

何のことかというと、ざっくりいうと大まかな通信の方式のことです。
”シリアル通信、パラレル通信”なんて言い方をしますね。

シリアル通信は、信号が通る経路、いわば線路が一本しかないもの、
対してパラレル通信は経路が複数あります。

さて、コンピューターの世界では”シリアル通信”がメインとなっています。
「経路が一本しかないのになぜ?」と思いますよね。
普通に考えたら複数の経路があった方が情報伝達は速い気がします。

実際、以前はパラレル通信がメインで、
情報を複数の経路を使って伝達していました。
さらに「シリアルなんて時代遅れ。パラレルじゃなきゃ」
という風潮もありました。
ん?”シリアルが時代遅れ”ということは、さらにそのもっと前には、
シリアル通信がメインの時代があったということですね。

”複数の経路を使って情報を伝達する”
例えると4、5人の人に一つの資料作りを依頼する感じです。
その場合、まずは誰がどの部分をやるかという取り決めが必要です。
さらに出来上がった資料を最終的に一つの資料にしなければいけません。

パラレルが主流の頃、この一人一人のこなせる仕事量が少なかった。
なので最初に仕事を分担する作業や、最後にまとめる作業があっても、
総合的には既存のシリアル(一人で作業)よりかは断然速かったのです。

しかし時代が進み、この”一人のこなせる仕事量”が爆発的に高まりました。
そうすると、最初に仕事を分担する作業や最後にまとめる作業が
だんだんボトルネックになり、仕事そのものの時間より、
分割/統合にかかる時間のほうが大きくなってきました。
そうなると最終的には、「だったら一人でやった方が速い」となり、
現在のシリアル通信がメインの状態になりました。
いまコンピューターで使われている、USB、イーサネットなどもシリアル通信です。

しかし歴史は繰り返します(コンピューターの世界は特に)
またいつかパラレルがメインになるかもしれません。
なぜなら、一人あたりの処理スピードが上がったが故に、
技術的に放棄された、”仕事を分割/統合する技術”が
手付かずのまま残っているからです。

今の一人当たりの処理速度が頭打ちになったタイミングで、
この”仕事を分割/統合する技術”に再びスポットが当たり、
パラレル通信の技術革新が起こるかもしれません。

いま現在レガシーな技術は、
実は次世代の技術革新のベースとなる技術なのかもしれません。