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魔法が解けた?

  • 2022年11月10日

おしゃれな高級家電でお馴染みのバルミューダが、
2022年通期の経常利益を下方修正すると発表しました。
企業が業績のを下方修正することは別に珍しいことではありません。
ただ、その数字が今回大きな話題となっています。

それはなんと99.5%の下方修正。
7.9億円から400万円への下方修正です。
これは相当な減り幅ですね。

下方修正になった要因として、バルミューダは”為替による円安の影響”としています。
確かに昨今の円安による影響は多方面に出ていますし、
海外で生産しているバルミューダにとってはかなり痛い状況でしょう。

でも99.5%って・・・
と誰もが思いますよね。
他に要因があるんじゃ?と、邪推してしまいます。
その時に一つ思い浮かぶものがあります。
おそらくみなさんも同じものを思い浮かべていると思います。

それは例のバルミューダフォンですね。
鳴物入りで発表されましたが、その市場評価はあまりにも低く、
ガジェットのレビューなどでも酷評され、
半ばネタ扱いに近いポジションとなっていました。

ただ、単純に”バルミューダフォンが売れなかったからその分減益になった”
というつもりはありません。
ではどういうことでしょう?
それはバルミューダフォンの評価から窺い知ることができます。

バルミューダフォンの評価といえば、
・性能の低いCPU
・少ないバッテリー容量
・低いカメラ性能
・モノラルスピーカー
・安っぽい質感
・4.9インチの小さな画面
・分厚いベゼル
・使いづらい指紋認証の位置
と、ちょっとこの辺でやめときますが、
”でも価格は一級品”というダメ押しがきます。

総評としては
「デザインにこだわり、中身の性能は中の下で、価格が高い」
ということになります。

実はこれって、バルミューダの高級家電に共通するものです。
デザインが他の部分を覆い隠す訴求力があったため、
それはある意味”贅沢品”として市場に受け入れられていた感があります。

バルミューダの家電持っていると言うと、
「すごいね!」という反応が返ってきます。
家電の性能を厳密に比較するケースもあまりないですよね。
”掃除機のモーターは何を使っている”だとか、
パワーはどれだけだとか、ベンチマークを測ったりだとかは
家電というジャンルではあまり行われません。
”製品イメージがデザイン主体で構築しやすい”ジャンルと言えるかもしれません。

しかしスマートフォンは性能がシビアに評価されます。
デザイン優先の使い勝手の悪さも含めて。
そうしてバルミューダフォンを評価したときに、
いままで築き上げてきた”バルミューダ”というブランドイメージが、
崩れてしまったように思います。

いままでなんとなくデザインと価格から高級に思っていたバルミューダの家電が、
「実はバルミューダフォンと同じじゃね?」
と、市場から見られるようになってしまった。
そう感じてなりません。

あくまでただの推論ですが、
もし少しでも要因として該当するならば、
製品イメージやブランドイメージというのは
簡単に崩れてしまうということを示した例となってしまうかもしれません。

ブランドイメージは少しづつ積み上げていくことでしか構築できません。
本当に大事にしたいですね。