連日の猛暑ですね(大汗)

来週には一旦落ち着くらしいですが、ちゃんと適切にエアコンを使って
生命を維持する必要があります(多分大げさではないと思う)

そんなエアコンですが、毎年夏になると必ず話題になる話があります。
それは「エアコンの設定温度は28℃」という、標語のような言葉。

みなさんも家庭やオフィスで言われたことはありませんか?

ただ、実際にエアコンの設定温度を28℃にするとかなり暑く、
環境によっては軽く30℃を超える場合があります。

この”28℃説”、一体どこから来たのでしょうか?
なにか根拠はあるのでしょか?

実は環境省のウェブサイトにその答えがあります。

サイトによると、
”平成17年度から地球温暖化対策のために、クールビズを実施し、
それと合わせて室温を28℃にしましょう”
と始まったとのこと。

それまでオフィスでは真夏でもネクタイに長袖のスーツが当たり前で、
エアコンでガンガンに冷やしてスーツおじさんたちがちょうどいいと思う
温度設定にしていた。

そんな”わざわざ着込んでエアコンでめいいっぱい冷やす”なんて
不合理なことはやめて、
そもそも気候に合った軽装にして、その状態で効果的なエアコンの温度としましょう。

そんな取り組みでした。
いま思うと以前の状態はムダの塊ですね。

そんな至極まっとうな取り組みでしたが、
一点だけ誤解された事があります。
それは「28℃」という数字。

今来これはエアコンの設定温度ではなく、
実際の室温のことを指しています。

それがなぜか”エアコンの設定温度が28℃”と認識されてしまい、
間違ったまま普及してしまいました。

当然ですが、エアコンの設定温度を28℃にしても、
室温は28℃にはなりません。
部屋に室温計を設置し、その室温計が28℃になるように
エアコンを稼働させなさいね、ということなのです。

ではなぜ室温が28℃なのでしょうか。
それは、以下2つの法令に基づいています。
・建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令
・労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」

これらの法令により、
空調設備における室温設定の範囲として規定されている温度が、
17℃~28℃であったことが根拠となっています。
規定範囲の上限を拾った訳ですね。

これらの事実をみると、エアコン設定温度28℃と言うのは、
安全環境基準から外れた危険な数字だという事がわかります。

しかしこのエアコン設定温度説は根強く、
多くのオフィスで見かけました。
ひどいと職務規定なんかに謳われているケースもあります。

このように間違った認識が一旦浸透してしまうと、
なかなか修正するのが難しいです。
この瞬間も、上司や総務が口を酸っぱくして、
「エアコンの設定温度は28℃遵守!」と叫んでいるかもしれません。

家庭の場合、エアコンを贅沢品のように感じている世代が
頑なに「エアコンの設定温度は28℃!」と言っているケースが多いでしょうか。

今の時代、エアコンは命に係るものだと言っても過言ではありませんし、
理不尽なガマンは何も生み出しません。
正しく使って健康管理と快適な執務空間を確保しましょう。