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「外部スタッフのミスです」

  • 2022年5月17日

情報漏えいなどが発生した際に、よく聞くセリフとして、
「弊社委託先が」「弊社協力会社が」等、
”うちはミスしてないけど”というニュアンスが見え隠れすることがあります。

実際にこのように公式アナウンスとして公開されますね。

この、”外部スタッフ”という言葉に違和感を感じることが多く、
”どこからを外部とするのか”とか、また「外部スタッフが」という、
注釈をわざわざ付けている意図は何であろうかということを考えます。

果たしてユーザーにとって、この”外部”という情報は必要でしょうか。
会社の外部であろうが内部であろうが、
その会社のサービスを利用しているユーザーにとってはあまり意味がなく、
自分への影響と今後の対応/対策が明確に示されることの方が重要です。

では逆のパターンはどうでしょうか。
逆というのは、事故の反対、いいことがあった場合ですね。

「弊社外部スタッフが開発した機能により、画期的なコスト削減が可能です」
「弊社外部スタッフにより障害が復旧され、データも保持されております」
「弊社外部スタッフの活躍により、ユーザー数100万人を達成!」

そんなセリフ聞いたことないですよね(笑)

いい事柄の場合には触れられることはなく、
悪い事柄の場合に”外部スタッフ”などの「部外者感」が強調されます。

似たような悪い例として、
手柄は自分、ミスは部下の責任にする上司が浮かびます。
構造はほとんど同じですね。

細かい瑕疵責任は契約書の範囲で当事者間で解決すればよく、
”俺じゃなくてこいつが悪い”的なことをユーザーに公表するのは
やはりちょっと違う気がします。

その外部委託先を選定したのは、紛れもなく自分達なのですから。