Share

デスクトップ=机上

  • 2021年11月19日

情シスの皆さん、PC入れ替えお疲れ様です。

4-5年に一度やってくるPCの入れ替え作業。その都度頭を悩ませることも多いんじゃないでしょうか。

キッティングやシステム側の環境整備の方はいいのですが、
問題はユーザーのデータ移行。

いろいろ企業を見てきた中で、ユーザーのデータ移行はおおよそ以下のパターンに分類できます。

・突き放しタイプ
・限定移行タイプ
・フルフルタイプ

まずは突き放しタイプ

これはデータ移行は基本的にすべてエンドユーザーが行うパターン。
ローカルのOfficeファイルはもちろん、メールデータなどもすべてユーザーが実施。
もちろん移行のための手順書は情シスが用意しますが、作業はすべてユーザーが行います。
無論、ITリテラシーの高い企業じゃないとできません。
情シスの負荷としては低いように思いますが、ITリテラシーが高ければ高いなりにまた違う問題(針の穴を通すような想定外の行為)が発生するので、一概に楽だとも言い切れませんし、
エンドユーザーがデータの一時退避先として高確率でファイルサーバーを使用するので、
程なくファイルサーバーがパンクしてアラートの嵐とその後の再発防止書類に頭を悩ませることになります。

次に限定移行タイプ

これは移行対象のデータを限定したやり方。
例えば「移行したいデータはデスクトップに”移行データ”というフォルダを作って、そこに入れておいてね」
という感じで行います。あとは作業者がPC入れ替え作業の中で、移行データフォルダのみ新しいPCにコピーします。
この例で言うと移行データフォルダ以外のデータは移行されないので、エンドユーザーが選択した必要なデータのみ、移行されるわけですね。
無駄なファイルも削減されて、なかなかバランスの良いやり方です。
ただ、PC入れ替え作業そのものは移行作業者が行うので、ある程度の運用負荷は発生します。
中小に向いているやり方かもしれません。

最後にフルフルタイプ

これは前のPCの状態を完璧に新PCへと移行するやり方。
ローカルのファイルはもちろん、メール、ブックマーク、デスクトップ上のショートカットアイコン、
更にはアイコンの並びと位置も同じにする場合も。
現業部署に主業務以外の時間を取らせたくないと考える企業なんかがよくやります。
ただこの場合、情シスの負担は相当なものになります。
まあローカルファイルぐらいはわかりますが、デスクトップの並びまで同じにするというのは、なかなかです。
アイコンの並びはどうやって移行するかと言うと、作業前に旧PCのデスクトップをデジカメで撮影し、
記録として残してあとは作業者が手動で並べ替えます。

ちなみに余談ですが、この移行パターンでソリティアのスコアも移行するように言われたことがあります。
それ業務じゃないですよね?と言うと、
「ソリティアをプレイすることで業務のストレスを解消している。これは立派な業務用途だ」と言われ、
モヤモヤしながらソリティアのスコアデータの格納場所を調べ、移行した苦い経験があります(泣)

すべてVDIやクラウドサービスになればこの手の問題はなくなるかもしれませんが、
おそらくそれはまだ当分先のように思います。

「デスクトップ」というようにPCはよく机に例えられます。
では実際にオフィスで机を入れ替える場合はどうでしょう?
机の中の荷物はおそらく持ち主が取り出し、新しい机に移動しますよね。
机の上の小物の場所も、新しい机のどこに置くかなんて、おそらく持ち主が行うことになるでしょう。
机の上にたくさん書類があれば、まずは片付けろと言う話になりますよね。

こうして考えると、PCというものはオフィスに数ある仕事をするための道具の一つではありますが、
その立ち位置はほかの道具たちとはちょっと違うのかもしれません。
また、それはいまの話であって、近い将来、机や書棚と同じ扱いになるのかもしれませんね。