コミュニティマーケティングってどうよ? Part.2

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前回はコミュニティの立上げの体験談を記しましたが、改めて、手の掛かる施策だなと思いました。しかし、市場の拡大も限界があり、新規顧客よりも既存顧客を重視、言い換えればLTV(Life Time Value)を重視するのであれば、必然的にコミュニティマーケティング(どの様な形かは様々ありますが)は避けて通れないと思いますし、新規顧客獲得にも好影響があります。ですが、前回も申しましたように、成果が見えにくく、成果が見えても数字化してもマクロ的な観点、短期的な観点では影響が出にくいです。

一般企業においては以前からコミュニティ施策を行っているプロダクトもありましたが、コロナ禍において、新規顧客獲得が難しい中、中小企業や個人商店でも注目が集まっていますが、前回に引き続き、コミュニティマーケティングを深堀りしてまいります。

■コミュニティマーケティングのメリット・デメリット

コミュニティマーケティングのメリット、デメリットを大きく分けるとこのように分けられると思います。

・メリット①:コミュニティ参加者からフィードバックが得られる
コミュニティの参加者はある程度、商品やサービスを気に入っている方々になります。その方々とコミュニケーションを取れる環境であれば、色々とヒアリングができるでしょう。例えば、改善点を聞き出し、アップデートの方向性を決める事もできますし、逆に良い点を聞き出せば、プロモーションや営業活動に活用できるでしょう。

・メリット②:ユーザーの熱烈なファン化
ヒアリングを行った際に、ユーザーはどの様な変化をするでしょうか?ヒアリング受けたことにより、ヒアリングを受けたユーザーは他のユーザーと違う体験をしたと感じ、より商品やサービスを気に掛けるでしょう。また、ヒアリングと言う行為自体に自分ごと化することも期待できるでしょう。そうなればより一層熱烈なファンなってくれることを期待できます。

・メリット③:新たなユーザーの獲得
熱烈なファンは見込客を呼び込んできてくれ、見込客が抱える疑問や問題をファンが解決してくれ、新規顧客に仕立ててくれます。

・デメリット①:ユーザーとの関係構築に時間、コストが掛かる
ユーザーとコミュニケーションを取れる環境であっても、本音を引き出す為、活発な議論を交わすまでには時間やコストが掛かります。
また、費やした時間やコストが何かの成果に繋がるかどうかもわかりません。

・デメリット②:フィードバックから得られる情報により、本来の目的を見失う
ユーザーとのコミュニケーションにより得られたフィードバックに沿ったアップデートを繰り返すと、その商品やサービスが本来目指すべき方向が異なる方向に進む可能性がある。

この商品やサービスに関わる人で、ファンとのコミュニケーションを深め、フィードバックが目的の方もいらっしゃると思いますが、私が考える最終的な目的は「新たなユーザーの獲得」のエコシステム化だと考えます。
コミュニティの機能がユーザーの購買行動モデルに非常に強い影響を与えます。代表的な購買行動モデルとしてAISASがありますが、Attention(注意) → Interest(関心) → Search(検索) → Action(行動) → Share(共有)とそれぞれの意思決定の段階に強い影響を広告と異なり、自然な形で与えることが期待できます。特にInterest、Searchはユーザーの身近な存在であるその商品やサービスのファンが影響を与えますし、Shareも同志が集うコミュニティ内でShareを行うことに慣れれば、SNSなどの外部へのShareに繋がるでしょう。その外部へのShareが、また別のユーザーのAttention、Interest、Searchにいい影響を与えるでしょうし、その行為自体が、快感に感じられ、新たなファンを誘導するようになるでしょう。
あくまでも理想ですが、身近な事柄であなたも経験があるのではないでしょうか?

しかしながら、このような関係性を構築するのに、どれだけ時間やコストが掛かるか分かりませんし、コミュニティが形成できても、コミュニティの意見に振り回され、本来の目的から外れたり、最悪、コミュニティごと別の商品やサービスに移行されたりする可能性も十二分にあります。つまり、従来のKPIが通用しませんし、理想のコミュニティの再現性もかなり低いと思います。

■コミュニティマーケティングをはじめる前に

メリット、デメリットを理解した上で、コミュニティマーケティングを実際に始める前に、色々と決めておきましょう。
まずは、ユーザーが求めていることと、この商品やサービスの将来の目標やビジョンなど定めましょう。ユーザーが求めていることと、目標やビジョンを摺り合わせ、相互理解を深められるか、実際にコミュニティマーケティングが最適解なのかどうか、改めて考えてみましょう。そうすれば自ずとこの商品やサービスがユーザーに対して提供できること、提供できないことが明確になり、何が障壁になるのか想定できると思います。

ここまで検討を深められれば、まずは目標のKPIを設定しましょう。例えば、コミュニティの参加者数だったり、コミュニティでの発言数だったり、掲示板があればトピックが立ち上がる数でもいいです。基準となる数字が決まれば、自ずと売上だったりサービスの利用率など推測できるでしょう。注意すべきは目標のKPIはあくまでも計測の基準になりますので、力技でKPIを達しようとしないでください。

■スモールスタートではじめましょう

具現化したい目的と目標となるKPIが腹落ちすれば、自ずと手段も見えてくると思います。自ら旗振り役になるのか?ユーザーをアンバサダーに仕立てるのか?どのSNSで展開するのか?オウンドメディアで展開するのか?今はコロナ禍で難しいですが、オフラインの繋がりも形成するのか?色々と案が上がってくると思います。その案に対して、最低限の予算と工数、体制で進められる手段で実施してみて、ある程度の期間計測をします。前回お話した様にコミュニティマーケティングはいきなり大きな影響を与えられませんが、ミクロでも影響が計測できれば、その小さな影響の分析を行いましょう。もし、少しでも影響が計測できないのであれば、別アプローチに切り替えてみるのもありでしょう。

分析と並行に目標としているKPIとの比較も忘れずにしましょう。この施策を拡大すべきか、引き続き様子見なのか、そもそものKPIの設定がおかしかったのか?そして撤退なのか必然的に判断がつくと思います。

コミュニティマーケティングは非常に難しく、他のマーケティング手法とは異なるKPIで動かしていく必要があります。私自身も小さな萌芽を見つけながらも、プロダクト側の要求と予算に応えることを優先したために、育てきれなかったのが少し心残りです。それほど心が折れる手法だとも言えます。しかし、小さな萌芽の共有ができれば、時間がかかりますが、大きな花を咲かせてくれるかもしれないのが、コミュニティマーケティングだと思います。焦らず、コツコツと進めていくのが正解だと考えています。

投稿者プロフィール

羽木 昌尚
羽木 昌尚
2004年にコンテンツプロバイダに入社。
デジタルコンテンツの権利の許諾獲得、自社サービスのプロモーション業務に従事。
2006年にコンテンツデベロッパーに入社。
自社アプリの広告出稿業務に従事し、担当アプリにて900万DL達成。
また、自社メディアでの広告マネタイズを経験。
2018年より独立し、モバイルゲームやアプリをはじめ、
有名おもちゃメーカーなど様々な企業、プロダクトのマーケティング戦略の立案と実行を支援。
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