たかが手土産、されど手土産です。ビジネスにおいての手土産は重要なツールになります。ツールは使い方次第でプラスにもなりますがマイナスにもなります。

 今回は、秘書が手土産を用意する際に気を付けている事について書きたいと思います。

手土産とは

 手土産を渡すのは、これから取引をしていくビジネスパートナーやお世話になっている方のはずです。
手土産の持参は絶対というわけではありませんが、渡すことで相手との距離感も縮まりますし、日頃の感謝や友好の気持ちも相手により伝わりやすくなるメリットがあります。

 手土産には場を和ませる、ちょっとした雑談の発端となる、等の役割もありますが、何よりも大きいのは、「これからも良い関係でいたい」という意思表示の役割です。

 また、会社を代表して渡しするため手土産は会社および上司の印象となりますので、品物を選ぶ際は上司の意向を確認することも大切です。

 どのようにしてその場所へ品物を届けるか、実際にお相手へお渡しする段取り調整も必要です。

 多忙な上司は、外出先からお相手との会談場所へ直行する場合も少なくないです。

 出張先やゴルフ、会食場所など、社外から直行する場所へ、手土産をどのように運ぶか。購入先から現地への配送手配をしたり、社の同席者に協力を依頼することもあります。

 手土産のせいで、当日現地でバタバタすることがないよう、ビジネスが円滑に遂行されるツールになるように、秘書は地味に確実に裏方として間違いなく対応しなければなりません。 

品物選びとマナー 

 手土産の品物はお渡しするお相手に気を遣わせないように、5,000円くらいを目安にするのがよいと思います。
安すぎず高すぎない。
マナーを押さえたうえでお相手の方の趣向等を考慮して選びます。
お相手の地域では購入できないもの、本店に出向かないと購入できないもの、季節ものなど、入手困難なものや限定品を選ぶ「ひと手間」が喜んでいただける理由にもなります。

 逆に避けた方が良いものは、お相手の会社所在地近くで売っているものや名産と重なるものなどです。
配慮が足りない印象を与えてしまいますので、気を付けましょう。

 また、渡す場面を考慮することも大切です。
特に、夜の会食や接待ゴルフでお渡しする場合はご自宅に持ち帰ることを念頭に入れておく必要があります。
お相手の家族構成、往復の交通手段についても考えて用意します。ご迷惑にならない、独りよがりにならないようなものを選びましょう。

 手土産お渡しリストを作成しておくと良いと思います。
いつ、どなたに、何を、理由、お渡しした場所、5W1Hをデータとして残しておくと、次回の手土産手配の際に役立てることができます。

 秘書業務は、日常生活の経験が生かされる仕事です。気づきのチャンスは日常にあふれています。
仕事中、買い物中、食事中、いつでも参考になることがたくさんあります。よく気づくことができるようになると、細やかな気遣いもできるようになります。

 心をもって人に接する。手土産選びの学びは、秘書の資質ベースになることかもしれませんね。