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2021年のマーケティングとは

2020年を振り返りますと、マーケティングだけではないですが、コロナ禍で色々と課題が浮き彫りになり、リアルな接触機会の減少に伴うオンラインへの本格移行、あわせて様々な業務のDX化へ挑戦など、コロナ禍の課題はまだまだ山積しています。
それに加え、Webマーケティング的には数年に渡りプライバシーの取り扱いが議論されてきましたが、いよいよスマートフォンアプリもプライバシーの取り扱い本格的に議論され対策に追われた一年でもあったと思います。

■リアルの接触が奪われた

コロナ禍において、最も影響が出たのは面と向かっての接触の機会が減った。。。というより、無くなった点でしょう。BtoBの場合、イベントをきっかけに知ってもらい、セミナーなどで知識を深めて、購入や契約に至るケースはよくありますが、そもそもの知ってもらう場を失ったのです。この影響は計り知れなく大きいと思います。BtoCでも、店舗での接触機会が大きく減り購入に至る機会が大きく減っているでしょう。特に日本は小さな国土で、都市圏は高密度の人口ですので、リアルでの接触機会が多く、ドブ板営業が通じていたのだと思います。ですが、リアルでの接触機会が大きく減り、大規模なイベントも実施しにくい状況ですので、「知ってもらう」きっかけ作りとして、web上で自らの情報発信が重要になったと思います。

■自己発信者の増加

2020年の春に緊急事態宣言下で在宅時間が増えた状況で、消費者やファンとのコミュニケーションがリアルから、Webに多く移行しました。例えば、TV、ラジオ、新聞、雑誌の4マスに加え、Webの広告費の推移を見てみると、4マスは昨年対比でマイナスのままで、Webのみ昨年対比で上回る回復が見られたり、TVで活躍している芸能人がこぞってYoutubeをはじめ、各種SNSで自らの情報発信が増えた様に感じました。企業にしても芸能人にしても、活動を制限される可能性がある中では、自ら情報を発信できる媒体で、消費者やファンとのコミュニケーション手段を作る必要があると考えたのでしょう。ですが、消費者もWebでの情報が増え、情報の取捨選択の中で、押しつけがましい企業の広告にはうんざりしているのではないでしょうか。

■ストーリーテリングマーケティングの摩耗

数年前から、商品や企業のコンテキストを生かし、共感を得る目的のストーリーテリングマーケティングが流行っています。ストーリーテリングという手法は新しい手法ではなく比較的古くから使われている手法で、メリットや特徴の羅列ではなく、物語の様に作成されたコンテンツによって、読み手をコンテクストに惹き込み、接触時間を長くすることにより、結果的に目的とする購入や問い合わせにつなげたり、商品や企業のブランドイメージ向上につなげる手法です。ここ数年D2C(Direct to Consumer/メーカーやブランドが、自社で企画・生産した商品を、流通業者を介することなく、自社ECサイトで直接消費者に販売するビジネスモデル)が盛り上がっていますが、このストーリーテリングマーケティングが大きく功を奏したと思います。
ですが、企業の「自分語り」とも捉えられるストーリーテリングマーケティングが氾濫している様に感じていますし、消費者もうんざりしているのではないでしょうか。

■消費者に自分語りをさせる

企業の押しつけがましい「自分語り」ではなく、消費者の商品に対する「自分語り」ではいかがでしょうか?企業の「自分語り」は消費者から見れば第三者のストーリーになりがちですが、消費者の商品に対する「自分語り」は消費者毎にストーリーが異なり、魅力的な商品であれば、いろいろな視点が生まれるでしょう。その多様性のある消費者の「自分語り」が有効な手段になるでしょう。企業の自分語りだけでなく、消費者の自分語りを誘導させる「ナラティブマーケティング」がトレンドの一つになると考えています。
ナラティブマーケティングを実施するにあたり、コミュニティを生かすのも手段ですし、ゲリラ的な施策も手段ですし、必要な時に必要な商品やサービスをキチンと提供し、消費者に満足を提供するのも一つの手段とも言えますね。
ここで注意が必要なのは、「消費者に語らせる」とは「消費者に的確に理解してもらう」ことが重要なのです。ですので、あれこれ訴求するのではなく、まずは訴求を一つに絞りこんだ方が正解だと思います。

■DX化の止まらない波

以前からDX化は叫ばれていましたが、コロナ禍でより加速度的に進むでしょう。つい先日のことですが、以前からWeb周りで色々と相談を受けていた友人から相談が来ました。彼らがしている事業は建築業界のコンサルティングなのですが、CRM、お客さんとのコミュニケーション、現場管理、人事評価。。。。。などなど様々なツールの機能を一つにまとめて売りたいので、理想のツールを作れる人間はいないかと。初めて話を聞いたときは彼も纏めきれていなかったので、要件定義を行い、優先順位をつけて何から開発すべきかを冷静になってもらいましたが、ここまでDX化の波がきたのかと体感しました。皆さんの周りでも、知人や上司が急にDXを叫びだすかもしれませんが、一通り話を聞いて、要件定義して、優先順位をつけそれに適したツールを紹介してあげるのが適切なのかなと思います。ちなみに、友人の場合は今まで、顧客管理や現場管理、人事評価など様々な業務をエクセルで行っていたが限界にきたようでしたので、取り急ぎ、それぞれに適したツールを紹介しました。このようにデジタル化に無縁だった様々な業界でも、SFAやCRMの導入をはじめ、ECサイトの構築から、RPAやAIによるルーティン業務の自動化までDX化の波は、昨年比べより一層押し寄せるでしょう。

■アプリのIDFA規制からはじまるアドテク業界の地殻変動

以前に書かせていただいた、AppleのIDFA取得のオプトイン化は2021年初旬にはじまると言われていますが、先立ってAppleがアプリが収集するデータや利用目的などの情報を明示することを開発者に義務づけられ、12月8日以降順次対応されています。
また、AppleのIDFA取得のオプトイン化に対しても、各アドネットワークやDSP、計測ツールなど対応を進めていますが、今まで通りにターゲティングや計測ができなくなる可能性もまだまだあります。Cookieの利用に関してもで先月フランスでAmazonとGoogleに対して、制裁金の支払いを命じたりと、Webもアプリもまだまだ不確定な要素があります。そのような流れを踏まえて、様々な技術が開発され、現在のプライバシー保護に沿った形で成果を上げている例もあります。ただ、世間の流れがターゲティングを否定するような流れになっており、実際にワールドワイドなブランドに関しては、3rd パーティーのCookieデータを用いたターゲティングを行わないWebプロモーションを行っております。近い将来、日本でも同様の流れになるであろうと思いますし、ここからWebマーケだけに止まらないマーケティング全体の地殻変動が起きると思います。

2021年に入り各地で再度緊急自体宣言が出され、今年も息苦しい世の中になると予想されますが、知識と手段を間違えなければ成長可能だと思います。

投稿者プロフィール

羽木 昌尚
羽木 昌尚
2004年にコンテンツプロバイダに入社。
デジタルコンテンツの権利の許諾獲得、自社サービスのプロモーション業務に従事。
2006年にコンテンツデベロッパーに入社。
自社アプリの広告出稿業務に従事し、担当アプリにて900万DL達成。
また、自社メディアでの広告マネタイズを経験。
2018年より独立し、モバイルゲームやアプリをはじめ、
有名おもちゃメーカーなど様々な企業、プロダクトのマーケティング戦略の立案と実行を支援。